ライカ丼丸の成り立ちと生き様

はじめに…

目次から まとめ に飛ぶだけで
ざっくりと内容が把握できます🙇‍♂️

開店前からの決め事

出店で一番大切と言われているのが立地。

ここに店を出す

と言ったら多くの経営者が
『絶対にここではない』と答えると思います。

実際にオープン時には
向上心が高くて優しいお客様方から
『商売を舐めてるの?』と怒られたりもしました。


今となれば それなりの来店もあり
応援を頂けるお店にはなれたと思っておりますが

どうして私は
『ここが良い』と思えたのでしょうか?


①地元に友達がいない
②海鮮丼屋は未経験
③45歳でした(当時)

なんの武器も持たない私。

そこに ライカ丼丸の成り立ちと
私の生き様がありました。

前職

前職は某たこ焼チェーン店。

東京や神奈川を中心に本部では
私を知らない人はほぼいなかったと思います。

断り続けた管理職もやらされたものの
店舗営業が楽しかったので退職を機に
3年ほどFCオーナーもやりましたが

会社を本気で良くしようとしている人が
私以外で極めて少ない事に嫌気が差したのと同時に

誰かのやっている事に従いきれないなら
自分の
責任で思う事をやるべきだ


と当時の私は【雇われるのに向いてない】
と思い 辞める(自由)に至りました。

家族

前職を辞めた事により
【娘が保育園を追い出される】という話になり
自由も長くは続きませんでしたが

ここまで休みもなく働き続けてきた私は
子供の成長を近くで見ていられる時間と
子供の甘えに応えてあげられる時間を堪能しながら

とある想いが募っていきました。

弟は20代の頃から私を含む家族に思う事があったのか
全力で働き続け、大会社を作りあげ
自分の家族にも力を尽くし
30代後半にして癌でなくなりました。

そんな弟の生き様に反した
死に際とその後の光景は
確実に私のトラウマとして刻まれました。


元々私がお金に執着する事はありませんでしたが
その現実は それまで以上に
時間や想いや家族を優先するようになり


【この子達が幸せであって欲しい】
という弟が叶えられなかった意思も

私が私の家族に絶対に継ぐよ!
と思っていました。

やりたい仕事

仕事として考えると
際限なく考えて動いてしまう性格なので

箇条書きにして考えました。


1.幸せと思える人を増やせる仕事
2.世間への不満を減らせる仕事
3.接客業がやりたい
4.行きやすい店にしたい
5.買いやすい店にしたい
6.楽しめる店にしたい

そこから

ウチの子供が立ち寄れる場所にしよう

とか

ウチの子供がいじられないような店にしよう

とか

自分の理想を考えるほどに

立地は家の近く。
地元の方々と心が対等で繋がりたい
と思うようになったので

自然と利益を追求する気持ちは
優先順位から省かれたのだと思います。


人の土俵でないと 稼ぐ という行為に
罪悪感が乗りそうな気がした私には
本来自営は向いていないのかも
と今はそう思います😅

飲食店

飲食店に望むものを問われたら
味だと答えると思います。

量販店に品質や価格を
求めるのと同義です。

では店というものに何を求めるでしょう?


私は飲食はもちろん、販売の経験も多数ありますが
常に心がけてきたのが店である意義です。

自販機 VS 販売店。
ストレスのない自販機は商品が高くても売れます。


店=人と空間である事を理解し
私は接客業を極めたいと思い続けた結果
飲食店をやろうと考え、

地域でもある程度の怪しさを払拭しつつ
全てを自由に経営が出来る丼丸という名を
借りる事にしました。

地域密着

川口に住み始めて約20年とはいえ

仕事は埼玉ではなかったし
生まれ育った土地でもないので友達もいないし
地域の事を何も知らない。

しいてあげれば イオンだけが地元で
子供の成長に伴う関係者だけが知り合い。


仕事をやめ、自由になった私は
【今こそ地元を知りたい、仲良くなりたい】
強く思うようになりました。

知らないと怖いし、怖かったからこそ
店を作るのであれば
同じような方々にとっての地元になろう。

【憩いの場になれないだろうか?】
【仲良くなれたら楽しいよね?】と
心から思うようになりました。


大人も子供も、近所だけでなく
多少距離が離れていようとも

【海鮮丼と私と地域の方々との繋がり】を
感じられる店にしないと

埼玉県川口市の上青木という立地にする
意味も意義もないという考えに至りました。

期限と価格と利益

…気になりますか?

この場所で始めたのは

①子供が1人でも遊びに来れる距離
②1人でも回せるであろう立地

丼丸で始めたのは

①丼丸には安くて美味しいイメージがある
②自由に価格も食材も決められる

という理由からです。


きっとほとんどのお客様が
??となっているのが

なぜ利益を増やそうとしないの?
という疑問だと思いますが

私も経営戦略を立ててきた側でしたし
個人店をやっている仲良しさんも増えてきて
仮にも真似をされたら困るので
ハッキリと説明をしようと思います。

利益の設定

私にとっての利益は お金ではなく

好きな時に営業をして休める環境
です。

開店と同時に表記してましたが
趣味や老後の楽しみを今使っているので
それは十分過ぎる利益です。

そんな道楽はお客様からしてみたら

①行ってみたらやってない
②行ってみたらなかなか買えない

などのストレスがあるので
LINEやHPで軽減させる手立てを用意しましたが

それは
ライカ丼丸に好意をもって下さる方にのみ有効


決して お店としての常識 ではなく
理解をしてもらえなくては
お互いの不利益に繋がるので
オープン前から綿密に練って周知にも
かなりの努力をしました。

それは期限の設定に繋がります。

なぜなら
やればやるだけ赤字になる事を
最初から計算していたからです。

期限と価格の設定

開店と同時に
閉店のお知らせをしていたライカ丼丸。


子供と離れても大丈夫かな?と思う期間を
60ヶ月と考えていたので

お店を作る為に貯めていたお金
=毎月失われる金額×60ヶ月の赤字を前提として

使用する食材原価と商品価格を
設定することにしました。


接客を含めて平均製造時間を決めて
メニューを作ると最大製造数が分かりますが

家賃と水光熱を抜いたところで
理想を追求したら中途半端な利益にしかならない
のであれば

来て頂ける地元の方々に最大限に喜んで頂き
お店の在り方を少しでも理解して頂けるような
営業姿勢でいこうと決めて開店したのです。

理想=やりたい仕事
の項目に記載した通りです🙇‍♂️

設定の見直し

2027年8月までと考えていましたが

2024年6月に変更を表明しましたが

①原価の高騰による赤字の増大
②私の かたくなな値上拒否
③思ってた以上の十分過ぎる成果
④賃貸物件の更新月

により、予定を前倒して
2026年7月をもって閉店の予定としました。


もはや当然のように支持してくれるお客様達からは
散々お願いや勧められてきた値上に関してですが

今後 他業種、他業態においても
必要な値上が深刻化していく見通しの中で

ライカ丼丸までもが
各家庭の負担の増大を招く要因になりたくはないので

楽しく過ごして素直に散れば良くない?
と思うに至ってしまいました。


ウチも多少の値上や中身の増減はありえますが
多少の値上では追いつかないのが飲食店の現実
である事は 知って頂けたら…と思います。

利益を今まで通りや以上に残そうとするなら
そりゃ なおさら便乗して上がる事でしょう。


働いても働かなくても 減るお金は変わらない。

そんな設定の中で
1年早く閉めるのであれば
今以上に子供達と過ごす時間を
1年間増やそうとも思いました🙇‍♂️


…妻には心配や我慢もさせてる分

ライカ丼丸が終わったら
何をしてでも めちゃくちゃ稼いでくる!
(あても根拠もないけど、多分実行できるはず)

と伝えております🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️

今後の営業戦略

さらに円安が進み赤字額が増えれば
こんなにも楽しい時間が早期終了してしまう。。

それは私にとっても大問題なので
維持が出来るように他でバイトをしてくるのも
まったく苦ではないのですが


今後の戦略としては

①売れば売るほど赤字になる商品を省き
②予約状況などはもっと認識して頂き
③理解済みの来客数を増やすのと
④来店頻度ではなく満足度を一層上げる

しかないのかな、と思っております。


現状、意図せぬ集客により
キャパを超える事がある為
SNSの使用を減らしたり
Googleなどによる周知の機会も減らしてますが

LINE予約のご協力と
可能な限り 現金でのお支払い

効率を上げ 損失を減らしているのは
現実的に間違いがありません。


常連様から頂いた募金箱のおかげで
手数料や仕入れの支払いがかなり楽になったので

お客様に負担を強いる不本意なお願いにもなりますが
そこはお伝えせざるを得ないと思います🙇‍♂️

まとめ

ここまでが全部蛇足だと!?

ライカ丼丸は
開店前に決めた金額を使い切るか
5年で終わる予定のお店でした。


隠居生活のように…と決めて
黒字を目標にするのではなく定額を使うと始めたので

原価が上がっても品質と価格を変えなければ
どんなに売れたところで
期間が縮むのは 当たり前の事。


利益は還元していき
後悔のないように散るつもりなので

家族やお客様との時間の使い方も
今の美味しさもまったく変えるつもりはない


のですが、私には心から思う事があります。

日本には

そして伝説へ…

という美しい言葉があります。

広い世界を舞台に転職をしながら
勇者として悪の大魔王を倒す という
ゲームのタイトルで

水筒を持参で朝から並んで 私の目の前で
買えなかったという苦い思い出はさておき


これから円安や世界情勢の影響により
独自のルートを持たざる店は値上を余儀なくされ

ライカ丼丸の需要と価値は

当然一層高まる事でしょう
🥴


…どうなってやがる!?とさらに怪しまれ
なんなら敵とみなされ狙われるかもしれません🤔


ちょうど息子もその頃に中2になるので
私はちょっくら伝説になろうかな』

さすがに厨二病的な冗談ですが
それもあながち間違ってもないんじゃない?
思うに至りました🤣

惜しまれつつ?

私は昔から

出会いと別れという発想になった事がなく
生きていれば、機会があるならいい

と思うタイプなので
残りの期間を全力営業 をしますし

縁を切られる方も多いのでしょうけど
私から縁を切る事はほぼないので

開店時からこのスタンスも貫いてますが
関係性を保てる方は
ライカ丼丸が終わっても全然心配いらないし

ご飯に困るー!というのなら
一緒にご飯でも食べに行きましょ❤️と思うので

惜しむのではなく 今後もお互いに
気持ちが繋がり、継がれますと幸いです🙇‍♂️

ちなみに…

この立地での客数と伸び率、
この単価での売上、
評価、リピート率、親密度

などを見れば

私の夢からしてみたらまだまだですが
ライカ丼丸、かなりヤベェーと思います🙆‍♂️


皆様の力添えとお気持ちがあってこそ
成長と実績を重ねるのが理想の在り方であり
現時点で私は満足が出来る形になっている事を
心から感謝しております🙇‍♂️


今の私のスタイルを許してくれたなら
前職、あの現場で年商1億は余裕でいけたろうに…
と 某会社にハッキリ言える位の
自信は身につきました。

次は何をするの?

と、開店時から ここまでの話を知る常連様や
最近知った方には結構な勢いで聞かれますが

そこはまだ考えるつもりもなく

やっぱり接客業がやりたいけど
家族にお金を渡せるならなんでもいい

とは思ってます。

誰かの役に立てて、
自分の周りも自分も幸せにする仕事
従事するぞ!というのは

今ワガママを通させてもらってる
感謝と償いの意味でも大切なので
死ぬまで働こうとは決めてます🙇‍♂️

最後に

…本当にあと2年をやりぬきたい…

願わくば…そう心底思いますが
4年も営業出来たら十分かなとも思いますし

これからもご来店して頂いた方々が
少しでも楽しくなるよう

変わらないお引き立てを賜われますよう
閉店時には最大級に惜しまれるよう
努力して参ります!

さらに早まらないともいえないし
今後ともまだまだお付き合いのほど
よろしくお願い申し上げます🙇‍♂️

2024.6/16

ライカ丼丸 清水慎樹